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屋根の雨漏り原因の多くは屋根材の劣化ではない理由

2025年4月22日
  • 屋根の雨漏り原因は板金部位が多い理由がわかります
  • 「屋根材」「板金」「ルーフィング」が重要な理由がわかります
  • 屋根からの雨漏りを解決する一番の方法がわかります

「屋根がボロボロです。雨漏りが生じる前に屋根をリフォームしましょう!!」
リフォーム業者からこのような指摘を受けることが多いはずです。
しかし、屋根本体がボロボロになることが原因となる雨漏りより、屋根を構成する板金部位が原因となる雨漏りの方が実際は多いです。
なぜ板金部位からの雨漏り頻度が高いのか、その原因と対策ついて解説します。

※このページは屋根からの雨漏りに関する記事です。

外壁やサッシ、ベランダからの雨漏りに関しては記載がありません。

屋根からの雨漏りが

発生する原因

※ 屋根の劣化が原因

※ 板金の劣化が原因

※ 構造上の問題・施工不良

屋根の雨仕舞と板金工事に

ついて

屋根の弱点には板金が取り付けられている

雨仕舞(あまじまい)という言葉があります。
建物内部に雨水が入り込まないための防水施工のことを示します。
この雨仕舞部分には「板金」が取り付けられます。

金属屋根やコロニアルだけではなく、陶器瓦を含めた全ての屋根の雨仕舞部分には「板金」が取り付けられています。
聞きなれないと思いますが、屋根には「谷どい板金」「棟板金」「雨押え板金」「軒先板金」「ケラバ板金」「天窓板金」「パラペット板金」「笠木板金」などたくさんの板金が屋根には用いられます。
実はこれらの板金にはある共通点があります。
それは、これらの板金は全て水がたまりやすい屋根の弱点部位に取り付けられることです。

屋根と板金の下には

ルーフィングが敷かれている

屋根と板金の裏側には下葺き材(ルーフィング)とよばれる防水シートが敷かれています。

屋根は「屋根材」だけではなく「板金」と「ルーフィングシート」、この3つが正常であってはじめて機能します。


屋根からの雨漏り原因を考える場合、この3つの仕組みを知ることがとても大切です。


そして、この3つのうちダントツに不具合が生じやすいのは「板金」です。


板金は雨水が集中し、風の影響を受けやすい弱点部分に取り付けられるため、雨漏りが多いのは当然といえば当然のことなのです。

屋根からの雨漏り原因は

4つ

屋根本体の経年劣化による雨漏り

いうまでもないことですが、屋根材には寿命があります。
古いコロニアルは水を吸収し湿潤状態となり、最終的に水を透すようになります。
古い日本瓦は年月が経過することで割れやすくなります。
金属屋根は雨や雪の影響で錆が生じ、穴があき始めます。
寿命が過ぎた屋根材は雨漏りリスクを高めます。

雨仕舞板金からの雨漏り

ふたつ目の原因は雨仕舞板金からの雨漏りです。
板金の経年劣化が進んで板金がサビたり、ヘコんだりすることで、穴があいて雨漏りが生じます。
最近は耐久性の高いガルバリウム鋼板が使われますが、昔の戸建て住宅はサビやすいトタンがよく使われています。
トタンの耐久性能は低く、10年程度で穴があく場合があります。

また、屋根のてっぺんにある「棟板金(むねばんきん)」は台風による風の影響を受けやすく、飛ばされる不具合がよく発生します。
屋根本体より板金の劣化が原因となる雨漏りの方が多いです。

ルーフィングからの雨漏り

ルーフィング(下葺き材)とは屋根本体や板金の下に敷きこむ防水シートのことです。
40年以上昔の瓦屋根は薄い木の板(トントン)が防水シート代わりに使われていました。
現在はアスファルトが主成分の化学製品が主に使われています。
屋根材や板金から漏れた雨水を最終的に防いでくれるのがルーフィングです。
板金が劣化して穴が開いているにもかかわらず、雨が漏れないのはルーフィングが機能しているからです。

ルーフィングの耐用年数は商品によって異なりますが、新築時にルーフィングにまでこだわる方(施主様や建設会社、設計士)はほとんどいません。
そのため、ルーフィングには高耐久製品(耐久年数30年以上の製品)がありますが、新築時に高耐久製品が使われることがほとんどありません。
建築図面にルーフィングの商品名に関する記載がなく築後20年が経過していれば、ルーフィングの機能はほぼなくなっていると考えてよいでしょう。

根本的に雨漏りの原因を解決するには、ルーフィングを新しくすることです。
屋根材や板金はルーフィングシートを保護する役割としての側面の方が強いです。
ただし、ルーフィングを張り替えるには、屋根をすべて剥がさなければなりません。

構造上の問題・施工不良

コロニアルの縁切り

屋根瓦と屋根瓦のスキマは、屋根の内部に入り込んだ雨水を出すための役割があります。
このスキマを雨漏りの原因と勘違いして、シーリングなどで埋めてしまう人がいます。
それは大きな過ちです。
内部に入り込ん雨が排出されず、室内へ雨漏りしてしまいます。
特に気を付けてほしいのが塗装後の対処です。
コロニアル(スレート/カラーベスト)の塗装後、このスキマを塗膜で覆った状態にするとマズいです。
塗膜が雨水の排出をさえぎり、高い確率で雨漏りが生じます。

そのため、塗装後は縁切り(えんぎり)と呼ばれる塗膜に切れ目を入れる作業をおこなう必要があります。
もしくは「タスペーサー」とよばれる屋根のスキマを確保する部材を塗装前に取り付ける必要があります。
残念ながらこの縁切り作業をおこなわない塗装業者さんがいます。
これは明らかに塗装職人さんの手抜き工事です。

板金の問題点と特徴

板金は瓦より劣化が早い

瓦屋根の寿命は約60年です。
本来であれば瓦屋根は60年に1度の改修工事で済みます。
ところが、瓦の屋根には雨仕舞部分に「板金」が使われています。
古い建築物である場合、板金は「トタン(亜鉛鋼板)」や「銅」が使われています。
トタンの耐久性は低く、約20年程でサビや穴あきなどの不具合が発生することがあります。

現在では、板金部分に「ガルバリウム」や「ステンレス」といった高耐久の鋼板を用います。
しかしそれでも、陶器や粘土の瓦に比べると板金の耐久性は劣ります。
瓦屋根は「瓦」と「板金」「漆喰」と寿命の異なる素材で構成されている屋根です。

コロニアル(スレート)の屋根も同様です。
コロニアルと板金では素材が異なるため、寿命が異なります。
異なる素材で構成された屋根の場合、各素材の寿命の足並みを備えることはとても難しいことになります。

板金の雨漏りはゆっくりな

進行型

板金やルーフィングシートの劣化はゆっくりと進行します。
そのため、雨漏りもゆっくりと発生します。
「サビから小さな穴があき、徐々に雨水が建物内部へ、そして天井裏に雨水が到達する」といったプロセスです。
屋根の板金は目立たない部分に使われいるため、板金の劣化を日常的に確認することはほぼ不可能です。
ある日突然、天井裏に雨染みができてはじめて屋根の異変に気付くことになります。

板金からの雨漏り解決策

板金に耐久性の高い素材を用いる

雨仕舞板金は水が集中するところに使われるため、傷みやすく不具合が多い部位です。
したがって、板金の素材は錆びにくく、穴が開きにくい高耐久製品を使ってください。
板金に用いられる素材の耐久性は【ステンレス>SGL>ガルバリウム=銅>トタン】の順番にとなります。
テイガク屋根修理ではSGL(スーパーガルバリウム鋼板)による使用を推奨しています。

ルーフィングに高耐久製品を使用する

ルーフィング(下葺き材)には耐久性の高い製品を使用しましょう。
最低でも「改質アスファルトルーフィング」と同等以上の性能をもつ製品の使用が望まれます。

木造住宅 構造模型

今回は屋根の雨漏りの原因について解説しました。


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